Forgetting-BarⅡ

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イキウメ 『太陽』

またしてやられた…(´・ω・`)


イキウメ『太陽』
2011/11/10〜11/27:青山円形劇場 ※正面ブロック最前列席
演出・脚本:前川知大
出演:浜田信也/盛隆二/岩本幸子/伊勢佳世/森下創/大窪人衛/加茂杏子/
安井順平/有川マコト
http://www.ikiume.jp/kouengaiyou.html

ストーリーライン
四十年程前、
世界的なバイオテロにより拡散したウイルスで人口は激減し、
政治経済は混乱、社会基盤が破壊された。

数年後、感染者の中で奇跡的に回復した人々が注目される。
彼らは人間をはるかに上回る身体に変異していた。
頭脳明晰で、若く健康な肉体を長く維持できる反面、紫外線に弱く太陽光の下では
活動できない欠点があったが、変異は進化の過渡期であると主張し自らを
「ノクス」(ホモ・ノクセンシス = 夜に生きる人)と名乗るようになる。

ノクスになる方法も解明され、徐々に数を増やす彼らは弾圧されるが、
変異の適性は三十歳前後で失われる為、若者の夜への移行は歯止めが効かなくなった。

次第に政治経済の中心はノクスに移り、遂には人口も逆転してしまう。
ノクスの登場から四十年、
普通の人間は三割程になり、ノクス社会に依存しながら共存している。
かつて日本と呼ばれた列島には、ノクス自治区が点在し、緩やかな連合体を築いていた。

都市に住むノクスに対し、人間は四国を割り当てられ多くが移住していたが、
未だ故郷を離れず小さな集落で生活するものもいた。


hp_sakuhin.jpg



今年の9月、前公演『散歩する侵略者』でも主演を務めた劇団の中心的俳優が
不祥事(その後退団)を起こし、この公演の開催自体が危ぶまれていたものの、
紆余曲折はあったと思われるが無事公演が行われたことに嬉しく思う。
そして、素晴らしい!舞台に仕上げた前川氏と共に、
けして華がある俳優がいるわけではないが、
それでも全ての出演者の演技に心撃たれた芝居であった。

まずは、この公演の開催に踏み切ってくれたことに『感謝』の言葉をのべたい…。


さて、、、
今作も近未来を描いたSF作、
その中に潜む人間くささ、差別・対立・暴力・家族・嫉妬等、
様々な感情を織り込んだ奇抜なストーリー展開、
そして最後の最後に訪れる衝撃的な結末…



(以下ネタバレです)

ノクスになることにずっと憧れている少年、
(毎年抽選で数名が人間からノクスになれるワクチンを打てる権利が与えられる)
ノクスになると人間が常に抱える悩みが全て解消される。
頭脳明晰、老化しない健康な体&超人的な身体能力、
そして合理的な考え方にしか捉われなくなるから
煩わしい人間関係の悩みや苦しみといったものからも開放される。
ただ一点、ノクスは太陽光線を浴びると生存出来ないという欠陥だけが伴うが、
しかしそれさえ我慢をすれば輝かしい裕福な未来が待っている。
だから少年は貧しく未来がない今の人間界を捨てて
ノクスになることに憧れを抱いていたのだが…

ノクスを毛嫌いし、外界から閉ざされた長野の集落から外へは出ようとせず、
貧しくも人間としてあり続けた少女。
そんな登場人物の中で一番人間らしい?繊細な感情を併せ持っていた少女は
事あるごとに少年を戒めていた。
しかし、人間の独立国家・四国の独裁的かつ暴力的支配の惨状を
先にノクスになっていた母親から吹き込まれ、自らの希望に絶望し、
母親の勧めで遂には自分の意志でノクスになることを決意した少女。

少年よりも先にワクチンを打たれ、
母親のノクス細胞を口移しで体内へ受け入れた少女は
もがき苦しみながらノクスの元へと連れていかれたのだが…

数日後、次に少年の前に現れた少女は全てが変貌し、
みすぼらしかった少女が垢抜けた女性へと変わり果てた姿であった。
それは容姿だけでなく、性格や理性も180度変わっており
人間の本来持つ豊かな感情はすべて失われた無機質な別人格の生物のように
少年の瞳には映った。

少年は変わり果てた少女の姿を見て自分の愚かさに気付き、
少女が笑顔混じりにノクスの生きる世界へと消えていった後、
抽選で与えられたノクスになれる当選権利の用紙をその場で破り捨て、泣き叫んだ。
そして少女の実の父親もその場で泣き崩れた…

父親の元同級生で、人間からノクスになった(少女にワクチンを打った)医師が
泣き崩れる父親の姿を見て人間の心を取り戻したかのように
最後に言い放った言葉が全てであり一番心に響いたな。

「人間は自然を受け入れて生きていくもの。太陽に背を向けては生きていけない。
共存していくもの。そしてそれこそが美しいのだろう。
人間ではなく本当はノクスの方が欠陥だ…。それを認める。」

この言葉に、人間が抱える欠点、弱さ…それが何だか愛おしく思え、
自然と共に力強く生きるのが摂理なのだなと、
そう思いながらラストシーンに涙した…。


完全なSF物語だけど、でも内容はもの凄く泥臭い芝居であり、
ヒューマンドラマでもあったかと。


イキウメ、やっぱり『偉大な劇団』…だと思います。



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テーマ:観劇 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2011/11/24(木) 13:43:18|
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